ニンニクの効果や副作用は?精力が高まるエビデンス2選

ニンニクに関する考察 健康増進や活力の向上、免疫システムのサポートに…と、多くの方がニンニクの持つ恩恵を求めてきました。この多機能性の食材は長い歴史を持ち、その効果や役立つ成分の詳細が研究により明らかになってきています。

ニンニクってどんな食材?

ニンニクは、多くのビタミンやミネラルを搭載した緑の食材です。エネルギー生成に必須のビタミンB1や、アミノ酸処理に役立つビタミンB6が特に多く含まれています。さらに、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも豊富に取り込まれています。

ニンニクの最も注目される成分は「アリイン」という特定のアミノ酸です。アリインはさまざまな状態に変えられ、中でも「アリシン」という成分が最もよく知られています。これはニンニクの独特な風味や、私たちが強烈と感じる香りを生み出す要素でもあります。

アリイン自体は無香で、ニンニクを切断や摩擦を加えることで、内部のアリインとアリイナーゼが結合し、多くの健康効果を持つアリシンに変わることが知られています。この反応が、強烈な匂いを放つ原因となります。

さらに、アリシンを加熱すると「スコルジニン」という物質に転換します。スコルジニンには、体の代謝を促進させる機能が確認されており、血の流れを良くしたり、ホルモンの生成をサポートするなど、特有の健康効果があることが明らかにされています。アリシンが油で調理されると「アホエン」に転化し、この成分もまた、抗がんなどの特定の効果を発揮することが知られています。

ニンニクの効果とエビデンス

テストステロン上昇

ニンニクと活力の関係について古くから、ニンニクは体調向上のための食材として広く知られていますが、実際に性機能への効果はどうなのでしょうか。

動物の試験結果から(R)、ニンニクと高タンパク食を摂った場合、ラットにおいて精巣のテストステロンが上昇したことが確認されています。ジアリルジスルフィドというニンニク固有の成分が黄体形成ホルモンの放出を助け、これがテストステロンの上昇の原因と見られています。

ですが、人間におけるテストステロンの上昇効果は未確認で、テストステロンの上昇が確かに発生するかは確認中です。

ニンニクが性機能の向上に寄与する主要な要因は、その卓越した血流改善効果です。アリシンといった成分の助けを借りて、血の循環が促進され、血管がスムーズに働き始めます。血行が不良で性機能に問題がある場合、ニンニクの定期的な摂取が状態改善の一助となるかもしれません。

体調の回復のサポート

風邪からの回復を迅速にするため、エネルギーの迅速な供給が不可欠です。ニンニクは、糖のメタボリズムをサポートするビタミンB1が豊富で、エネルギーの生成を助ける役目があります。アリシンもまた、糖の代謝を助ける効果を持っています。

さらに、アリシンはウイルスに対する抗作用を持っており、特にウイルス性の風邪に有効です。一つのランダム化比較試験では、2.56g/日の熟成ニンニクエキスを45日間摂取したグループは、風邪やインフルエンザの発症日数が61%も減少したとの結果が出ています(R)

この研究では、ガンマデルタT細胞やナチュラルキラー細胞といった免疫系の細胞の数も、ニンニクエキスを摂取した群で増加していました。熟成ニンニクエキスの摂取は、免疫機能の向上に寄与するかもしれません。これにより、風邪やインフルエンザの症状を和らげ、回復をスピードアップする効果が期待されます。

ニンニクの副作用と安全性

食事としてのニンニクは、通常人の健康に害を及ぼさないと認識されています。とはいえ、過剰摂取をしてしまったり、食材への反応が強い人や、空腹時に過度に食べた際には、胸やけや胃の不調、さらには下痢や吐き気などの体調不良を経験するかもしれません。

多くの調査結果から、ニンニクエキスの健康への効果は、摂取量が300~1500mgの範囲で確認されています。摂取量が多ければ多いほど、血圧の低下などのメリットがあると指摘されています。

生のニンニクを食事として摂る場合、成人は1日あたり約4gの摂取が望ましいとされていますが、サプリメントとしてのニンニクエキスの含有量や配合成分は商品ごとに異なるため、一般的な摂取量の推薦は困難です。そこで、サプリメントとしてニンニクを取り入れる際には、製品の推奨摂取量を基準にするのが最適です。